お誕生日おめでとうのおはなし

2018年全ツぶりの名古屋ドームで見る推しメンは相変わらず可愛くて、そして一回り華奢になった気がした。

 

今回の8thバスラは井上小百合さんにとって最後のバスラだった。2日目までしか参加できなかったことに関してはこれが彼女なりの精一杯で出てくれることが有り難かったと思う、こう言えるのはまぁその2日間に私が入れたからなのだけれど…その話は置いておこう。

 

少し伸びた前髪と一つに括られた短めの髪の毛、最後に彼女を見たのは天国の本屋なので1月なのだけれどライブでだと桜井玲香卒コンを除くと5月の横アリ以来だった。懐かしい"乃木坂46井上小百合"の姿。ageinst踊ってるよ…とただ1人(かどうかは知らんけど)女エリで目頭を熱くしている私。この気持ちは初めて乃木坂のライブで彼女を見た時みたいだ、と思ったのは少し後でまさに「初恋の人を今でも」だった。

「アンダー」の後の静けさから聴き慣れたイントロとアンダーメンバーの後ろから1人現れる華奢な影。白くなっていく会場はセンターに立つ井上小百合さんが顔を上げた瞬間に全て彼女のものになった。みんなが守りつづけてくれたポジション、「乃木坂というグループの為にボロボロになろうが命をかけて頑張りたい」と思ったという大切な曲、それは私たちにも充分伝わっていて「あの日僕は咄嗟に嘘をついたんだ」と始まった瞬間に彼女の持っているものが全てが弾けた気がした。君と僕は違う空を見ている、これからの事を考えるとやっぱり寂しくなっちゃうね。

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さゆちゃんが言うには自分が参加を決めたときには既にセトリが組まれリハが始まっていたのでやりたかったけど出来なかった曲もあった、とのことだった。

もしそうなら2日目のセトリは、その中でどうにかしてくれた結果なのかもしれない。特に彼女が卒業することでオリメンが誰もいなくなってしまう「環状六号線」と「ごめんねスムージー」を形を変えつつ歌い継いでくれるスタイルにしてくれたことが私はとても嬉しい。後輩と歌う環六は可愛さに溢れていたし、なによりアンコール明け全員で歌ったごめスムは最後に乃木坂46みんなを背負って真ん中に立つさゆちゃんを観れたので大満足だ。もしも急遽変更してアンコール演出にしてくれたのであれば感謝しかない。あまり踊れない彼女が47曲中15曲も参加しているのだ、本当に有難うございます…

 

「そう誰も知らない世界へ行きたかった 顔晒したって気づかれない 人混みの中歩きたかった」

今の乃木坂46が歌う「僕のこと、知ってる?」はたまにメンバー自身の心の声なのではないかと思ってしまう節がある。だからこそあの時の大園桃子さんの「乃木坂も悪くないなぁって思う」という言葉が滲みるのだろうと思うし、私は彼女たちのことを数パーセントしか知らないけれど美しくも苦しいなと思ったりもする。今回初めてこの歌を歌うさゆちゃんを見たけど、不意に抜かれる横顔の美しさを目に焼き付けながら乃木坂46として出会わせてくれて有難うと思った。そして時が止まってくれればいいのに、と並んだメンバー全員の姿を見てワガママ溢してしまったりした。

 

「サヨナラの意味」で抜かれることの多かった彼女、暗に示されたソレを歌詞を見ながら考えていた。サヨナラは通過点だから、またここから始まるのだから寂しがらないでと、彼女は笑うだろうなと思ったりして。久保ちゃんとまいちゅんに挟まれてデロデロな顔してたさゆ、隣のいくちゃんにちょっかいかけられて笑ってたさゆ、真夏さんとかずみんに挟まれて両方に頭をこてんと嬉しそうにしてたさゆ、隙間を歌い上げるさゆ、他の星からでキレキレに踊るさゆ、もしこれが最後だったのならば──アイドル井上小百合が大好きだ、としか言えない。

 

サヨナラになんて強くなれないから、せめて「またね」って笑ってください。出来るなら、手を繋いで。